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大学院生のブログ

人生まるごと今後の課題

ナンセンスの暴力『バトル少年カズヤ』

書籍レビュー

去年の暮れ、毎年恒例の忘年会で、とても美しい女性の先輩が一冊の本を手渡してきた。

「これ、よかったら……。」

中にマカロンでも入っていそうな、ピンク色の可愛い袋。
しかしその中に入っていたのは、稀代のゲス漫画にして超のつく怪作、『バトル少年カズヤ』だったのである。

『オモコロ』掲載時に少しだけ読んだことはあるが、まさか単行本になっていたとは。
っていうか分厚いな、オイ!?

とりあえず、『バトル少年カズヤ』を知らない人も多いと思うので、試しに読んでみてほしい。個人的に好きな、7話のURL(漫画はネットで無料公開)を貼っておく。

omocoro.jp

まずね、2コマ目からぶったまげる。「ちなみに下半身はペガサスです(タハハ 照れるやい)」。いいじゃないですか!!こういうの好き。先輩がこの本を渡すとき、「好きだと思って」って言ってたけど、その慧眼に脱帽。先輩の中の、私のイメージが気になるけれども。

その後、4コマ目では何故か唐突に顔のレイアウトが崩れ、背番号の0が異世界に通じていることがわかる(?)。アイウエオ作文風に「せいし」とか書いてあるのも意味不明。その男の写真は何?なんで雲に顔が書いてあるの?そのQRコードを読み込んだらどうなるの??????

叩きつけ、襲いくる不条理。文脈からはるか斜め上にブッ飛んだオブジェクト。まるで暴風雨のようなナンセンスに殴られ、「私は一体、何を手にしてしまったんだ」「これは一体なんなんだ」と前後不覚に陥ってしまう。気づけば、ちょっとした辞典のような厚みの単行本を全て読み終えてしまっていた。何かヤバい薬でもキメた後のような気分になった。

例に挙げたのは7話だが、他の話も均等にヤバい。中盤、やっとこの作風にも慣れてきたかな……と思ってきたところで、ガラッと絵柄 & 内容を変えたりする。トコトンこちらを慣れさせてくれない。

作中ではいろいろな人物・時事ネタのパロディが登場するのだが、なんかもう、そういう分かりやすいパロディに救われた気分にすらなる。「よ、よかったー!意図が理解できる!」という感じで……。

こんな漫画を描いている「中川ホメオパシー」氏の脳はいったいどうなっているのか。その才能が羨ましい。
エロ・グロ250%なので気軽に他人にはすすめられないが、好きな人ならトコトン好きだろう。
書き下ろしやカズヤの設定ページなど、単行本ならではの内容もある。
1200円+税という価格が高いと思うか安いと思うかは微妙なところだが、少なくとも読んで損したという感じはない。今回は借り物として読んだが、改めて自分でも買おうかと思ったくらいだ。すごい作品に出会ってしまった。

最後に、無駄に芸の細かい、小口(本の横のとこ)の絵を紹介して終わる。

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ぐにーんとする方向によって2パターンの絵が見られる。そう、この本、装丁とか無駄に凝ってるんだよな……。本気でナンセンスなものを作りましたってな感じ。そういうの好き。好き〜!おすすめです。