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大学院生のブログ

人生まるごと今後の課題

「紙面には引き算も大事」という話

出版小ネタ 写真

ある日、新幹線の駅かどこかで、素敵な冊子が目に入った。タイトルは『カンパイ!広島県 広島秘境ツアーズ』。私が手にしたのはVol.3、俳優の斎藤工さんを起用した号だ。

この『広島秘境ツアーズ』、駅ナカで配布されていた無料冊子なのにも関わらず、どうやらものすごい人気らしい。どのくらい人気かというと、バックナンバーの入手が抽選になっているくらいだ。

しかし、それも納得してしまうように思う。有名な俳優さんを起用しているという要素もあるだろうけれど、何よりも冊子の完成度がすごい。「確かにこれは欲しいだろうな……」と思ってしまう。

というわけで今日はそんな『広島秘境ツアーズ』を題材に、「紙面には引き算も大事」という話を書き留めておく。

なお、『カンパイ!広島県 広島秘境ツアーズ』の「冊子」は入手困難だが、「PDF」は公式サイトでダウンロードすることができる。サイトを覗くだけでも、紙面の雰囲気はなんとなく感じ取ることができると思うので、ぜひ。

hiroshima-welcome.jp

さて、私の契約しているメディアは、取材に行ったライターが写真も撮ってくる必要がある。
この「ライター兼カメラマン」という形態、今ではけっこう主流らしい。少なくとも、「写真も撮れますよ」というアピールをすることによって、高単価の案件を引き受けられるようになるのは事実。しかし、写真なんてどうやって撮ればいいのだろう?

仕事を受け始めた当初、私は「写真の撮りどころ」がよくわからなかった。京都を拠点に活動しているので、入ってくる仕事は自然と「年中行事のレポート」なんかが多くなる。しかし、どこをどう撮ればいいのか……。とりあえず、「主役」になりそうな被写体(人物や風景など)は押さえるが、帰って記事に仕上げてみると「うーん?」という出来になってしまう。

長らく首をひねって考えた末、手元の『広島秘境ツアーズ』を見ていてその理由がわかった。私の写真には「脇役」が足りないのだ。

冒頭、俳優の斉藤工さんを起用した「斉藤工と広島を旅する」のページ。掲載されている写真は当然、どれも完成度の高いものばかりだが、やはり「引き算」がうまく機能しているように思う。

斉藤さんの美貌をアップで写したかと思えば、風景のみの写真を下に並べたり。後ろ姿を見せたり、足だけを写したり。そういった「引き算」の結果、紙面が「斉藤さんのグラビア本」ではなく、きちんと「広島を旅する」内容になっている。これはすごいな、と思う。

私を含め、初心者はとにかく、ズバァン!と派手な写真を撮りたくなってしまう。「主役」となる被写体をど真ん中で押さえることにばかり躍起になって、気づけば「脇役」の写真が1枚もないという結果に陥りがちだ。

しかし、そんな派手な「主役」写真ばかりの紙面は、残念ながらあまり見やすい紙面とは言えないらしい。化粧に例えれば、アイメイク盛り盛り!!チーク盛り盛り!!リップ盛り盛り!!髪の毛盛り盛り!!みたいな顔になってしまう。最近のメイクで「引き算」が重視されるのと同じくらい、紙面上でも「引き算」は必要なんじゃないかなと思う。

もちろん、一枚だけ出すならばインパクトのある写真の方がいいかもしれない。しかしこうしてたくさん写真を並べる必要があるなら、「引き」にあたる写真も意識して撮っておくといいはず。インパクトのある光景は意識せずとも撮れるが、「引き」の写真はうっかりすると撮り忘れる(実体験)。

 

というわけで、みんな広島に行って、いい写真撮ってください。

 

広島が好きという話↓

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