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大学院生のブログ

人生まるごと今後の課題

ゲーム「ミラクルニキ」はオタクのファッション問題を救うか

雑記

ちょっと時間を持て余し、何か暇つぶしになりそうなゲームはないかとAppStoreを徘徊していた日のこと。ランキング上位にあった、とあるゲームが気になった。何やらかわいい女の子を着せ替えてバトル(?)をするRPG(?)らしい。どういうことなんだ。
比喩的な意味で「服の戦闘力が高い」とか言うことはあれど、着せ替えゲームがどうやったらRPGになるんだろう。意味がわからないので、ダウンロードして遊んでみることにした。

ゲーム開始。どうやら主人公のかわいい女の子が、異世界に飛ばされてきたらしい。傍らの微妙にかわいくないネコが言う。「この世界は、コーディネートの良し悪しで全てが決まるんだ!」「なるほどー!」*1 いや、なんでだよ。説明がアクロバティックすぎて笑った。
前から思っていたことだけれど、スマホゲーのストーリー展開、あまりにも雑すぎないですか?ソシャゲの核である「何らかのミニゲームをクリアし、ストーリーを進め、ガチャを回してじゃぶじゃぶ課金せよ」というシステムを適当に合理化するためだけの、ほんとうに最低限の理屈づけしかされていない。「散らかった棚に、テキトーな布をかけてごまかしました」みたいな感じ。いや見えてるよいろいろ。日ごろスマホゲーには結構お世話になってるからいいけどね。

ともかくそういう理屈づけで、主人公の女の子にTPOに応じたコーディネートを施す → 立ちふさがるライバルと「コーデバトル」をする → 勝てばアイテムが手に入る というふうに進んでいく。ソシャゲらしく、ガチャやイベント、ランキングバトルといった課金要素もあるが、けっこう頻繁に(そして大量に)課金ジュエル的なものが手に入るので、無課金でもそこそこ遊べる。
はじめこそ「どうせ15分で飽きるんだろうな」と思いながらプレイしていたのだが、気づいたらかなりの時間を費やしていることに気づいた。論文!

そんな感じでゲームを置き、皿を洗いながら思ったのだが、この手の着せ替えゲームは「オタクのファッションヤバすぎ問題」を解決する手助けをしてくれるんじゃないだろうか。
最近はTwitterでも「オタクファッションあるある」みたいな感じでオタクの服の類型化・批判が頻繁に行われている。たとえば女オタクならアクシーズファム系のフリフリぶりっこタイプ、Honeys系のモサナチュラルタイプがよく槍玉に上がるし、男オタクなら「ダイエーの2階で全部揃いそうな服(=母親が近所で買ってきそうな服)」というのがひとつの典型例として扱われる。かくいう私も服には苦労していて、気を抜けばすぐにオタク丸出しの格好で大学まわりを徘徊してしまう。いかんせんファッションは複雑すぎるのだ。

ある日友達のオタクと話して、服には以下のような問題があることがわかった。

  • パラメータが複雑すぎる
    数値化されている値段・サイズはともかく、「TPO」の概念はときとして曖昧。「デザインの良し悪し」も客観的に判断できない。
  • 値段がピンキリ
    1枚980円のTシャツもあれば、9800円のTシャツもある。そして値段とクオリティは一次関数ではない。
  • ただしイケメンに限る」の罠
    よしんば「良いデザインの服」を買ったとして、似合うかどうかとは別問題

さて、ここでゲームの話に戻る。

このゲームでは、ステージごとにテーマが設定されており、微妙にかわいくないネコのアシスタントが「これが適切」という具体例を出してくれる。そしてそれに従っていれば、少なくともクリアはできる(「高評価で」クリアするにはさらに工夫が必要になる)。身につけるアイテムには「キュート」とか「大人」とかいったパラメータが割り振られており、そのステージで必要とされる属性のアイテムを揃えていけば高得点でクリアできるというわけだ。なるほど確かにRPG。「炎属性の敵が来るから水系の武器で固めとこう」というのと原理は同じである。

このゲームを遊んでいると、だんだんと「TPOに合わせて服を選ぶコツ」が分かってくる。たとえば「オトナ女子」というテーマなら、必要とされるパラメータは「大人」「キュート」あたりだ。メインとなるワンピースを「大人」パラメータ重視で選んだあとは、髪型や小物といったアイテムで「キュート」パラメータを満たしていく。これは現実世界で服を選ぶ際の思考回路とほとんど同じだ!

もちろん現実世界の服にはパラメータが表示されていないし、そもそも必要とされるTPOを自分で見極めなければならないという問題もあるだろう。体型や顔面偏差値の問題もある。
しかしゲームを遊んでいくうちに(そして微妙なネコのサジェストに従っていくうちに)、なんとなく「ははぁ、これが『オトナ女子コーデ』なわけね」と分かってくる。常にコーディネートのスタメン入りしているアイテムは、いわゆる「使い回しやすい」アイテムということになるのだろう。こういった典型パターンさえ分かってしまえば、あとは「サイズ感」「色」「予算」「好み」などで微調整をして、見事「無難なファッション」に落ち着くことができる。少なくとも、ダイエーの2階ファッション」からは脱出することができるのではないだろうか。

残念なことに、このゲームの主人公は女の子であり、男オタクのファッション問題には貢献しそうにない。そのうち男性向けの着せ替えゲームが出たらプレイしてみたい。
ちなみにゲーム中、ヘンテコなコーディネートをすると、微妙なネコに「あの、どういう心境でこのコーデを……?」とドン引きされてしまう。うるせえほっとけ!自信満々のコーデにドン引きされると、結構傷つくことがわかった。でもまあ、リアル世界でドン引きされるよりはネコにダメ出しされるほうがまだマシだろう。そもそも、世の中の人はダメ出しすらしてくれない。静かにプププと笑われるだけである。

*1:会話はうろ覚え