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大学院生のブログ

人生まるごと今後の課題

『ユーリ!!! on ICE』が修論を完成させてくれる話

愛を知って強くなったので、何度目かもう思い出せないけれど、ブログを始めることにした。 

大人になってから、「王道もの」が胸にグッとくることが多くなった。
これまではむしろ嫌悪していたはずの、暑苦しいスポ根ものが心に響くようになってきたのだ。私の人生において、汗臭い「努力、友情、勝利」の世界観が好きになる日が来るなんて、思ってもみなかった。

去年くらいからだろうか、視界がぼやけることが多くなった。
初めは疲れ目かなと思って、目薬をさすなどした。効かなかった。
ついに近視になったかと思って、目を画面に近づけてみた。効かなかった。
データの数値はちらつく一方で、部屋をべらぼうに明るくしたところでハッキリ見えることはなかった。仕方なくメガネ屋に行って視力を測った。遠視で乱視だった。
下がった視力は今も下がり続けていて、メガネをかけているのに、「やっぱり裸眼じゃぼやけるなあ、メガネ、メガネ」とやる回数が増えてきた。このまま失明したらどうしようなんて考えている。きっとそんなことはないけどね。

修論のドラフト提出は12月の23日だった。ロジックが複雑骨折した怪文書を先生に送りつけて、その日は好き放題に寝た。夜が明けて24日になって、世間はクリスマスイブだった。そんな行事のことは素で忘れていた。それでもちょっとはお祭り気分を味わおうと思って、街へ出た。べらぼうに疲れた。一刻も早く帰りたかったが人混みがそれを許さない。なんとか帰宅したが疲れは次の日まで引きずった。もう若くはなかった。

年齢は、体を、そして心を変容させていくらしい。知識としては持っていたけれど、ここ1年はそれを確認するような時期だった。柄にもなく転職サイトにも登録して、自分の価値を見極めてみるなどした。とんでもなく低賃金の、私の希望職種にはみじんもかすらない、エンジニア職のスカウトがきた。お願いだから日本語くらい読んでください。友達と喫茶店でしゃべりながら、オリジナルのゲームの構想を練ったこともあった。5年前と違って具体的な話ができるようになり、実現可能性は格段にアップしたはずなのに、なんだか前よりクリエイティブな力が失われている気がした。無鉄砲ともいえるパワーは、ここ数年で、どこかに落としてきたらしかった。

そんな折、某アニメを見た。グッドルッキングガイがファビュラスに絡み合う話だと聞いていたから、期待しつつもなんとなく避けていた。流行には、数年遅れで手を出すほうである。
しかしある日、どうしてもやる気が出ない日があって、オンライン配信で一気に見た。1話から引き込まれた。トイレにこもって嗚咽する主人公の姿に、引きこもっていた時期の自分を重ねた。あのとき主人公と同じように、部屋のドアをロシア人の美少年が蹴っ飛ばしてくれていたら私も変われていたのだろうか。(はずみで死んでいた可能性もある。)
主人公は話を追うごとに強くなった。彼の演技が失敗するたびに「アアー」となったし、成功すると「オオー」となった。毎週、本気で応援していた。「大丈夫、できる!本当の力を見せてくれ!」そしてふと気付いた。私が主人公にかける言葉は、自分自身にかけたい言葉だったのだ。

物語は物語だから、最後は努力が報われて、美しく終わる。いっぽう私の人生はどうなるかわからない。孤独死して虫にたかられて終わるのかもしれない。
それでも私はもう一度がんばろうと思う。『ユーリ!!! on ICE』は、私の中にずっとしまい込まれていた、「私はできる」という気持ちを掘り起こしてくれた。こんなに素晴らしい作品に、25歳の冬に出会えたことを感謝しています。ありがとうございました。